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続・男はつらいよのめるのレビュー・感想・評価

続・男はつらいよ(1969年製作の映画)
5.0
祝🌸男はつらいよ初映画館🌸

東映の富士山が出てくるだけで泣けてきて、オープニングで感極まっていました。渥美清の伸びのある歌声はいつ聴いても心地よい。

坪内散歩先生と夏子さんはドラマ『少年寅次郎』で昔の二人として再登場していました。ドラマの後に観られて嬉しかった。

続編を作ると評価が落ちるというのは映画あるあるですが、『続・男はつらいよ』は1作目と同じくらい面白かった!!しかも、これは前作から3ヶ月後に公開されたとか!山田洋次監督、天才だわ~!!
そうそう、監督は今88歳で次の寅さんが88本目の映画だそうです。すっごい偶然。一年に一本…とカウントするのはおかしいけど、映画と共に生きてきた人なんだなと尊敬します。

この作品のテーマは「再会」だと思っています。寅さんは3人の人物(先生、夏子さん、お母さん)と再会します。
劇中で先生が「再会とは誠に難しいことなのだ」と語るのですが、それをこんなに実感できたのは今回だけだったかもしれません。その理由は私がこの映画を観に行く途中で二人の方と再会したからなのですが、このシーンを観ていたら狐につままれたような気持ちになりました。(しかも、映画の帰りに二人のうちの一人とまた再会したんですよ!さすがに笑いました。)

今作の見どころは渥美清とミヤコ蝶々の大喧嘩。
寅さんは産みの親に会いに先生と夏子さんと京都に出かけます。せっかくお母さんに会えたのに初対面から大喧嘩。
そのやり取りのテンポ、声の張り方、役者の表情、全てにおいて素晴らしかった。このふたりにしかできない大迫力の会話でした。
ちなみに、渥美清とミヤコ蝶々は9つしか歳が離れていないそうです!びっくりですよね!

先生は寅さんに頼んで江戸川のウナギを釣ってきてもらうが、それを食べられないまま亡くなってしまいます。
寅さんはずーっとバカだバカだと言われ続けていたけど、一人で涙を流す寅を見て御前様が「お前はそこまでバカじゃないだろう」と言っていたのが印象的でした。寅さんにとって自分を叱ってくれるのは坪内先生だけじゃなくて御前様もいると分かる瞬間であり、初めて寅さんを「バカじゃない」と言ってくれた。
だから大好きなんだよね~、御前様!!笠智衆のザ・明治の男を感じた!

産みの親との再会と人生の先生との別れを描いているのに重くならないのが男はつらいよの良いところ。
何度も何度も笑った!笑えた!まさか映画館であんなに笑い声を聞けるとは思わなかった。しかもあのガラガラの映画館で。
一番いい味を出していたのは、何と言ってもおいちゃん!森川信さんがとにかく面白い!表情だけで笑わせてくる!今作はおいちゃんのひょっとこ笑顔に注目です(笑)
あと、「おかーさーん!」のCMも笑った。そして、◯◯を口に出してはいけないシリーズは今後も続きます(笑)

お父さんを亡くした夏子さん。お母さんと出会った寅さん。それがまた対照的に見えて、寅さんとお菊さんが仲良く歩く姿は微笑ましく、それを見送る夏子さんを思うと少し切なくなりました。

今月は京都に行くので、ロケ地の三条大橋と渡月橋に行ってきます!!この頃は舗装されていない道に松の木が立っていたけど、たぶん今は違うんだろうな~。50年前の京都と現代の京都を感じてきます。
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