わかめ昆布

禍福 前篇のわかめ昆布のレビュー・感想・評価

禍福 前篇(1937年製作の映画)
3.8
「結婚なんて富くじみたいなもんよ」
「お互いにいいくじだといいわね」

入江たか子の後ろ姿の多用が光る。
あんなに好き合い、結婚を必ず!と約束しておきながらいざ他所とお見合いしてみると、そちらが気に入ってしまい直ぐ心変わり…と男の身勝手さが爆発!しかもラストでまさかの事実まで発覚し怒り心頭に。

成瀬作品での高田稔はどうも気に触る役が多くて、イケメンなのに残念だな…と思うが、その捻りがまた好きだったりする。

入江たか子と逢初夢子の友情がかけがえなく美しい。この作品の唯一の良心。

入江自身もツヤツヤしており、憂いがある役ながらも終始美しい姿を楽しめた。
話し合いシーンでのきっぱりさっぱりした言い放ちっぷりも素晴らしい。

気になりすぎて秒で後篇へと手が伸びる、展開の持って行き方はさすが。
「光る涙が置き土産…」という主題歌の節で憂い度マックス。切なすぎる…
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