camuson

野性の証明のcamusonのレビュー・感想・評価

野性の証明(1978年製作の映画)
3.7
森村誠一の原作は未読。

これのテーマ曲を、今、思い出そうとしているのですが、
「♪男はオオカミ~」のアートネイチャーの歌が邪魔してなかなか思い出せません。
四半世紀の間、一度たりとも思い出すことのなかった
鋤柄昌宏に邪魔されるとは、まさかの不本意です。
「マドンナたちのララバイ」も結構邪魔してくる。

メインキャストが高倉健、薬師丸ひろ子の角川映画。
薬師丸ひろ子の映画デビュー作。
高倉健に特別な思いはないのですが、今見てみると、やはりいい役者ですね。
力むことなく、過剰な演技をすることなく、映画が引き締まります。

「君よ憤怒の河を渡れ」と同じく中野良子がヒロイン。
この女優もいわゆる美人ではないのだけれど不思議な雰囲気があって良しです。
他の役者も超豪華布陣。

寒村の大虐殺事件、ダム建設にまつわる裏の世界、
自衛隊の中に組織された秘密部隊などなど、

エンターテインメントのネタとしてはどれも刺激的で面白いのだけれど、
どれも齧りかけのまま、大してうまく絡みあうこともなく進むので、
刺激的な割には残るものが少ないのですよね。

とはいえ、今の日本映画ではなかなか挑戦しないスケールの大きさ。
監督が佐藤純彌であると知ってなるほど納得です。

蛇足
若き舘ひろしが爬虫類顔。今よりも色白で不健康なジャンキーっぽい雰囲気。
今のダンディーさの欠片もないので、随分いい歳の取り方したなと思いました。
camuson

camuson