生酒冷造

クンドゥンの生酒冷造のレビュー・感想・評価

クンドゥン(1997年製作の映画)
2.9
ダライ・ラマ14世の半生と文化大革命邁進の中国からの侵攻との関係を描く。。


映画の尺が長い。。それが素人ウケにはマイナー且つマイナス要因か。
しかし、監督の映像文学の一貫した美しさや骨格は素晴らしいです。
ダライ・ラマの2歳ぐらいの性格が、腕白でドン引きでした。
しかし、転生の品定めの儀式を見て、どこまでノン・フィクションかなと首はかしげました。

ですが、今の年老いた政治家でも尻割りそうな状態を、僅か18歳でチベットの元首として判断をくださないとならない。
ここらは純粋が仇となる。。
それは宗教としては分かりますが、指導者としてはいささかな姿。ある意味、後半は本当に等身大の人としての悩みを共感出来ました。
それと、毛沢東率いる中国共産党のチベット侵攻の仕方が、今のロシアのウクライナ侵攻と同じ手口なのにはデジャヴュのようでゾゾゾとしました。

あと、映画とはいえ文革に浸る毛沢東役をちゃんと登場させてる映画はお初だったかも。
宗教とはアヘンだと語り、チベット弾圧を目論む毛沢東。。

映画「キリスト・最後の誘惑」のように誘惑に対しての布石として前フリがあるのはいいですが、どうせなら毛沢東と共産党と中国との関係に主軸を置いた物語の方がインパクトあったかもです。
生酒冷造

生酒冷造