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クンドゥンのlovebirdのレビュー・感想・評価

クンドゥン(1997年製作の映画)
4.5
私が訪れた時が2000年くらいだったので映画よりも後。
こんな映画があったなんて知らなかったです。

ラサでもチベット民族と漢民族が同じ場所にいて言葉が通じない。食堂でご飯をたべていると残飯を食べてる途中でも要求してくる貧しいチベット人。危険な感じでもないのに中国の公安や軍人がいてなんだか怖い雰囲気。

当時チベット好きの女子がいてチベットの歴史を語ってくれてたけど、当時の私にはキョトンとする内容ばかり。

ポタラ宮がダライ・ラマの住居で世界遺産っていうことは知っていたけど、この映画を知っていたら先に観たかった。
もっと感慨深く観光できたと思います。

自分の知識で知っていたダライ・ラマ選びの映像や心理描写のかかった映像も考えさせられるとこや、実話ではお父さんは火葬だったらしいけど、チベット仏教では有名な鳥葬のシーン(実際はもっとグロテスク)や毛沢東の時代にあやつ本人が追い込んだという事実。

気分が悪くなるような内容ではあるけれど、史実を知れた気がします。

キャストがほとんど亡命したチベット人ってのがすごいのと、青年期の役が本人の甥の息子…ってことは甥孫⁉️血縁関係だし、映画のアドバイスもダライ・ラマ本人からしてもらってるとか、事実に近いのがまたツラい。


現在でもダライ・ラマ崇拝しているチベット仏教の方々ですが、現地に行くとチベットの国旗やダライ・ラマの写真を売ってはいけないらしく、映画の中でも言いたくないことを言わされている背景が現代でも続いていると思うといたたまれない気持ちになります。

デリーにあるチベット難民キャンプでは若い頃のダライ・ラマの写真が大きく飾ってあったので、亡命してしまった人たちのほうが自由なのかもしれないですね。
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