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クンドゥンのadeamのレビュー・感想・評価

クンドゥン(1997年製作の映画)
2.0
マーティン・スコセッシがダライ・ラマ14世の前半生を描いた伝記ドラマ。
前半は13世の死後、その生まれ変わりとして見出された幼い少年がチベットの最高指導者に就くまでに自国の現状を知る過程を描き、後半は中国の侵略が始まる中で、非暴力を貫きながら国と民を守ろうとする姿を描いています。
淡々と出来事が積み上げられていくストーリーには退屈さが否めず、結末も決してカタルシスが得られることはないのですが、良くできた再現ドラマとして教材的な価値はあると思いました。
ダライ・ラマ14世本人に助言を受け、血縁者を役者として起用するなど制作陣が行ったストイックな努力は画面から十分に感じられるものの、だからこそかえって微妙に拙い英語を喋ることの違和感は際立っており、真摯なメッセージの背後に結局はネタとして扱う下心が透けて見えてしまうようでもったいなかったです。
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