こべこべ

クンドゥンのこべこべのレビュー・感想・評価

クンドゥン(1997年製作の映画)
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スコセッシがダライ・ラマの半生を描くと聞いて鑑賞してみたが、なんだか微妙な作品だった。映像の質感としてはいつものスコセッシ(特に直前に作られた「カジノ」)だし、1人の男の生き様を描くという点でも、「グッドフェローズ」あたりからの流れの中にあるんだけども、本作は先に挙げた2作ほど出来が良くない気がする。「グッドフェローズ」「カジノ」はどちらもマフィアの話で、暴力と酒と薬ばかり出てくるからこそ、軽快にその人の人生を映画にできたんだけども、これに関してはもっと重い話を扱っているせいか、あまりにも単調すぎる。起承転結の承がずっと続いている感じ。軽快さが欠如してる一方でセンチメンタリズムもないから、ベルトルッチの「ラスト・エンペラー」ほど感動もしない。ただひたすらダライ・ラマ14世の半生をなぞっているだけ。普通の「伝記」映画だった。
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