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クンドゥンの440のレビュー・感想・評価

クンドゥン(1997年製作の映画)
5.0
国を守るのではなく
人々を守る

心が痛む
静かに暮らしたいだけなのに

最近映画鑑賞していて影響受けやすいのかドストライクに感情に訴えかけてくる作品が多すぎる。
ほんと催眠術にでもかかってるのかっつうくらい他人事になんて思えない。
ブッ刺さりすぎてダライ・ラマと一緒に後半なんて具合悪くなった気分になりました。

スコセッシ作品の中でも1番のお気に入りは「沈黙」。
鑑賞後には遠藤周作を読み漁り、長崎の「遠藤周作文学館」に速攻行った。
舞台となった漁村で2時間ほど放心状態になり、教会を散策し、体から感情が溢れすぎたからなのか次の日に高熱を出した。

そんな俺がこの作品も憑依されるという身の危険を感じたのでBlu-rayを購入してから未見のまま眠らせてたが、とうとうご開帳。

やっぱり息を呑む壮絶さだった。
影響受けすぎて、今すぐにでもチベットに行きたくなる。

ダライ・ラマ14世が誕生してから24歳でインドに亡命するまでが描かれてます。

お告げの通りに捜索され、見つけられた農村の男の子。
ダライ・ラマ13世の遺品と偽物を並べたところ遺品のみ選び「これ僕のだ」と言うシーンはゾクゾクしたねぇ。
3歳の子がそんな事言うなんてマジでミラクルすぎる。
聖痕出てくるベネデッタとは一味違うね。

雄大な景色と穏やかな人々の中に侵略してくる中国。
チベットは今も変わらず、更に他の国でも同様な状況となる現在。
宗教、政治、人種。
あらゆる思想がすれ違いや確執を生み、誰も望まない争いへと発展していく。
現状の危険な状態をどう切り抜けるのが最善なのか?
傷つく人の少ない決着と平和を心から願います。
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