のりしろ

クンドゥンののりしろのネタバレレビュー・内容・結末

クンドゥン(1997年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

まず驚いたのが、権力者が統治する世襲制が当たり前の時代に、先代の生まれ変わりを探しだして即位させるという習慣。
"他人よりもどれだけ多くの財と名声を残せるか"が中心である今の時代に、人々を導くために生という苦難の道に戻ってきてくれた英知を探し出して導いてもらうという思想。
いい学校を出て、いい会社に勤め、人よりもちょっと贅沢な暮らしができればいいやと思っている現代人とは、根本の思想が全く異なる生き方をしている方々なのだと映画冒頭から思い知らされました。
小さな国の小さな村で生きている人たちではなく、悠久の自然、あるいは永劫の宇宙の中で生き続けている人たちだと。そういう印象を受けました。

土地を侵され、民を虐げられ、静寂さえ奪われた彼は、それでも非暴力を貫き続け、今もインドに暮らしているそう。
いつか故郷に帰れるよう願いたい。
のりしろ

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