空

クンドゥンの空のレビュー・感想・評価

クンドゥン(1997年製作の映画)
5.0
苦しみと悲しみを背負うことや無であること非暴力に対するそれにつけいる傲慢な行動、重くのしかかる責任に涙が出る

クンドゥン(ダライ・ラマ)に子供らしい子供時代を与えてやれなかったことを詫びる側近
御仏に仕えるものたちであってもお金や位に執着する様は人の姿をみる

中国の侵略や平安の持ち方あらゆる言葉が尊い

「真理は行き着けば現在の現実」
(みたいなの)は、ああその通りと思う

「御仏は苦しみを取り去るのではない。」に続く言葉は非常に重く安易に救いを得られる宗教と生き方として人としてどう苦しみと向き合うか、等多く考えさせられる


戦時中、戦後の天皇陛下が負われているその哀しみや辛さを同様に思う、上に立つ者、精神的主柱になる方の責任の重さをみる

途中あるクンドゥンのお父様の鳥葬の様がリアルでうひょーとなるが、この世の身体は借り物であり死すれば無に帰する、というのをそのまま表しているのだと思うと興味深かった

何年もかけて描いた曼荼羅を壊していくのは本当に人生の無をみるうようで不思議な哀しさと解放感を得る

何にしても、心の平安の在り方を示唆するもので非常に良かった
胸がブルブルした

英語で話しているのが気に入らないがそれを差し引いても満点
空