安堵霊タラコフスキー

クンドゥンの安堵霊タラコフスキーのレビュー・感想・評価

クンドゥン(1997年製作の映画)
3.6
今までずっと避けていた映画だけど、良くも悪くも案の定なものとなっていた。

というのもチベットを舞台としたダライ・ラマの話を、スコセッシらしいキレのある演出や編集にロジャー・ディーキンスの深みある撮影、そして同じ仏教の国であるインドのサタジット・レイ的ないくつか表現で描いていて映画としては良いのだけど、英語で交わされる会話に違和感しか抱けなくて(日本語吹き替えにしても台詞が浮いたようになってまた別の違和感があるからどっちにしろ合わない)終始複雑な気分で鑑賞させられた。

しかし今や伝説の男と化したポン・ジュノにとって心の師の一人であるスコセッシの力量とかがアジアの舞台で遺憾なく発揮されていたので、そういう意味では確実に一見の価値はある。(故に現地の言葉ちゃんと使ってないのが本当に惜しい作品)