まいつん

クンドゥンのまいつんのレビュー・感想・評価

クンドゥン(1997年製作の映画)
4.2
喋り方がたんたんとしているから長く感じるけど、これは知るために観ておきたい映画。

チベット、ダライラマについて、はじめて知ることが多かった。
後継者を生まれかわりで探すという選び方、鳥葬、シャーマン、砂曼荼羅、カター。

少数民族と、幼くしてその象徴となった人の、きた道。救いのない人々を涅槃へ導くための道。

私は戦争を許さない。

祖国の地を、その足で再び踏めますように。

——

memo

◼️カター
カターと呼ばれる白いスカーフを挨拶しながら相手に渡す習慣がある。カターの「カ」は口で、「ター」は布あるいは印(しるし)、誠心誠意、心からの敬意を表している。つまり、カターを相手に渡すことにより、自分の心からの敬意を表すという挨拶の印なのである。

◼️鳥葬
岩山などが多く埋葬の為に地盤を掘る事が難しく、また寒冷地でもあるので埋葬できても微生物による分解が進みません。
他にも火葬に必要な大量の薪を用意するのが難しいなど、環境的な理由が鳥葬が広まった理由の1つとされています。
鳥葬の流れとしては、まず僧侶が死者の魂を肉体から抜くためにお経を唱えます。
魂が抜けた肉体は「祈りの旗」という布が無数にかけられた鳥葬台に運ばれ、専門の職人によって細かく裁断されるのです。
裁断された肉体は骨まで細かく砕かれ、余す事なく全てをハゲタカなどに与えられ食べつくされます。
また鳥葬には、家族は参列しないのが一般的なようです。
チベットでは、鳥葬によって他の生命に肉体を与える事が最上の供養であるとされています。生きる為に他の生命をたくさん奪ってきた人間でも、死んだ後の肉体を他の生命(ハゲタカ)に与える事で前世の罪が洗い流されると考えられているのです。
また鳥葬によって肉体は天に行くとされているので、魂が抜けた後の肉体を天に届けるという意味も持っています。

◼️砂曼荼羅
極彩色の砂曼荼羅は、仏が住む宇宙を表す。その繊細な美しさは、ひと目見るだけで悪行を清め、世界の浄化を促すといわれるほどです。
そして描き上げられ祈りが終わると、すぐに壊されるのが砂曼荼羅。諸行無常の教えの象徴であると言われています。
すべての砂の一粒一粒は、僧たちによって祝福の祈りがささげられ、そして川に流されることで海に広がり、やがて世界にその祈りを広げることになるのです。
まいつん

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