Atoru

明日へのチケットのAtoruのレビュー・感想・評価

明日へのチケット(2005年製作の映画)
5.0
オーストリアのインスブルック中央駅からイタリアのローマ・テルミニ駅までの3区間を、三人の巨匠がストーリーを繋いでいくオムニバス形式の映画。
学生の時にこの映画を観て以来、国境をまたいで繋がるヨーロッパの鉄道に魅せられて、自分がその後何度も鉄道に乗る為にヨーロッパへ旅行に行くようになってしまった作品。

数年前にネーデルラントへ行った時にも感じたけれど、全ての地域の列車に乗った訳ではないが、ヨーロッパでは車掌さんがいまだに切符を切りにくる文化を残しているのは本当に鉄道を多くの人が愛しているからなのだなと外国人の自分は思った。

本作はアルバニアからの移民の家族を中心に描かれている。
自分は真ん中のキアロスタミ監督のストーリーが好き。
故郷のイタリア・ブラッチャーノへ兵役の為暫く帰っていない青年が偶然同郷の年下の女の子と会い、自分の妹や昔の恋人の話を聴く。
列車の中で周囲の会話が聞こえてくるような明示的でなく断片的な台詞がとても不思議だが心地良い。

最初のストーリーで旅の出発駅となっているオーストリアのインスブルック中央駅、いつか行ってみたい。
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