メタ壱

迷子の警察音楽隊のメタ壱のレビュー・感想・評価

迷子の警察音楽隊(2007年製作の映画)
3.4
エジプトからイスラエルへやってきた警察音楽隊は右も左もわからない土地で迷子になってしまう。
バスもなくなり泊まる場所もない彼らは、閑散とした街でみつけた食堂の女主人の厚意で寝泊まりする場所を提供してもらう。
こうして三班に別れた音楽隊の面々は見知らぬ土地の見知らぬ人たちとそれぞれの一夜を過ごす事に…というお話し。

とても静かでシュールな空気の漂う作品。

ちゃんと整備されているけれど人通りのとても少ない街の寒々しい空気にミャンマーのネピドーを訪れた時の感覚を思い出しまた。

でもあの空気感ってただ寒々しいだけじゃなくて、そこで生活している人達の体温もちゃんと感じられて、寒いけど温かいような不思議な世界に迷い込んだような感覚だったなと、この映画と自分の体験を重ねてしまいました。

そんな空気感の中でぎこちないコミュニケーションをはかろうとする音楽隊と街の人々。

たった一夜のなんでもないような出来事ばかりの時間だったけれど、ほんのりと彼ら彼女らの間に芽生えた刹那的な細い絆に人の体温を感じました。

そんなコミュ障ばかりな登場人物たちの細い絆の仲立ちをしていたのがほんのりと流れてくる音楽たち。

人類皆友達!ってのは無茶苦茶だけれど、音楽と食べ物と共に少しの時間を共有できればなんだかんだ人と人とは繋がる事が出来るかもね…ってニュアンスを感じられて好きでした。
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