イチロヲ

女教師 少年狩りのイチロヲのレビュー・感想・評価

女教師 少年狩り(1975年製作の映画)
4.0
全校生徒の憧憬の的になっている女教師(ひろみ麻耶)が、訳ありの転校生(村国守平)と接触したことにより、男に隷属する立場に陥ってしまう。秘められた情欲の覚醒を描いている、日活ロマンポルノ。

無意識的に男の欲情を刺激してしまう「魔性の女」の系統。発情する男子生徒たちを手玉に取っている海千山千の女教師が、「したたかな女」を目の敵にしているニヒリストの転校生により、復讐という名の羞恥行為を受けてしまう。

数多くのロマンポルノを鑑賞していると、両者の対決の行方が容易に予測できてしまう。復讐といっても、魔性(性の歓び)を喚起させてしまう復讐のため、結局は女のしたたかさに丸め込まれることになる。ここまでは、定石どおり。

「果たして、これは復讐なのだろうか?」と自問自答しているような転校生の佇まいが良い。「魔性の女の悲哀と、それに惑わされる男たちの滑稽さ」をテーマにした作品としては上出来といえる。
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