great兄やん

セリーヌとジュリーは舟でゆくのgreat兄やんのレビュー・感想・評価

5.0
【一言で言うと】
「魔法にかけられて」

[あらすじ]
パリの公園のベンチで魔術の本を読んでいたジュリーはふとした事からセリーヌと知り合う。唐突に開始される二人の共同生活。やがて、郊外の屋敷にひきつけられた二人は、そこで起こる少女毒殺に至る物語を幾度となく幻視する。二人は結末を変え少女を助け出そうとするのだが...。

※再鑑賞レビュー
(初鑑賞日:2018年1月5日)

ジャック・リヴェット映画祭にて。

問答無用の5.0。何度だって観返したくなる魔法がこの映画にたくさん詰まってる。

最初に観た時は余りにも自由奔放過ぎて着いて行けないもどかしさを感じたが、今回の鑑賞でそれが完全に大好物へと変貌を遂げてしまった…やはりDVDで観るよりもスクリーンで観るジャック・リヴェット作品は格別この上ないですし、実際観ることすら貴重な今作を映画館でやっていただき誠に感謝です!!😆😆😆

とにかく193分とかなりの長尺だがマジで魔法にかけられたのかってくらいあっという間で、多少乱雑さを感じるもののそんなのどうでも良くなるほど観ていて楽しくなってくる笑
まさに“魔法”を体現したかのような可愛らしさ、それに素敵な遊び心が満載で、全編におけるジャック・リヴェットの比類なきセンスがダダ漏れしまくり!!(*≧∀≦*)

それに不思議な家に迷い込んでいくワクワク感、そしてその家に潜む“事件”を一緒に解明していくドキドキ感が満遍なく味わえますし、何よりも飴を舐めたらその“謎解き”を“リプレイ”できるといった発想がもう新感覚すぎて好き。

セリーヌとジュリーの突発的な破天荒っぷりもメチャクチャツボですし、特に舞台でセリーヌの代わりに出たジュリーが観客に向かってボロクソ言いまくるシーンと終盤の“シナリオ”をブッ壊しにかかるシーンがイッチバン好き。マジで何回でも見れるあそこは笑笑

とにかく展開の荒っぽさやストーリーの複雑さを感じる映画ではあるが、それすらも愛おしく見えてしまう魔法が散りばめられた、ジャック・リヴェットのセンスパワー全開の一本でした!!

よくよく考えてみると1974年に制作された映画の割には今現在でも断然通用するような色褪せなさを感じますし、ていうか48年前にこんな映画創れるとかマジっすか(゚o゚;;…としか言いようがない。

まさしく“何が何だか分からないけどなんか楽しい”ような今作。
ただ個人的には人生ベスト10🦺に食い込むほど好きになりましたし、まだ観たことがない人はマジで観て欲しい。ガチで人生観変わる(個人差アリ笑)

DVD…買おっかな〜...Amazonで1万円もするけど笑(^◇^;)