佐藤克巳

紅の翼の佐藤克巳のレビュー・感想・評価

紅の翼(1958年製作の映画)
4.5
鬼才の中平康監督が、冒頭から二谷英明が安部徹を暗殺、路上で子供を跳ね風船が舞い上がる衝撃から、重傷の石原裕次郎と中原早苗の八丈島着陸迄の、ハラハラドキドキのヒッチコックタッチ航空サスペンスの傑作を見事に放った。「赤い波止場」でアウトローヒーローだった裕次郎を、国民的アクションヒーローに転換させた功績大の作品。利発でキャピキャピした中原早苗の代表作であり、中平との相性抜群。セスナの構造と機能が理解出来、戦闘機並のファイティングスピリットが必要と理解、裕次郎とセスナの一体感は素晴らしい。二谷も西村晃は相変わらずの演技の旨さ。芦川いづみは、「あした晴れるか」への布石と見た。
佐藤克巳

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