tristana

アレンジメント/愛の旋律のtristanaのレビュー・感想・評価

アレンジメント/愛の旋律(1969年製作の映画)
5.0
この原作を書き上げたときのエリアカザンの「できた…」という嘆息まで聞こえてきそうな力の入り様。真面目で頭の堅い人間が無理にでも俗っぽく振るまおうとするときの目も当てられない感じが演出にも出ている。話も飛び飛びで収拾がつかない。派手な広告業界にLAのプール付き豪邸、献身的な妻と奔放な愛人の板挟み、父親の呪縛というアメリカのオス版ベルイマン。病み病みのカークダグラスを気遣うふりをしながらあくまで働かせる方向に話を持っていくデボラカーとの根本的な乖離が良い。あと弟の奥さんのいちいちギャーギャーわめき立てるキャラクターが最高。というよりフェイダナウェイの今カレも含めもはや全員が主役でもある。
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