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ワン・フロム・ザ・ハートのBaadのレビュー・感想・評価

ワン・フロム・ザ・ハート(1982年製作の映画)
5.0
『地獄の黙示録』が一般受けしないであろうと予想したコッポラが資金回収のために作った娯楽映画だったが、公開した結果は逆で、この映画の方が大赤字をだしたという曰く付きの作品。

公開時ではなく10年ぐらい前にBSの録画で見たのだけれど、これが娯楽映画というコッポラの感覚が高尚すぎる。
正直大金つぎ込んだ実験映画にしか見えませんでした。

とはいえ、クロード・ルルーシュの男と女の続編よりははるかにしゃれているし、完成度もむちゃくちゃ高い。

何より嬉しいのが当時の全くもって普通の一般庶民の男女の恋愛とささやかな願望をリアリティーを持って描いていること。生活感というか、細かい部分の表現がきちんとしすぎていてさながらタイムカプセルだ。

この辺の豊かだけれどきちんと生活感の裏付けがあるという部分がコッポラ一族の映画の凄いところで、映画がつまらなくてもいつも感心してしまうのだけれど、この映画はつまらなくはないです。

一度映画館で見て見たいものです。

(腐っても鯛 2018/6/12記)
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