夜の空港と滑走路、雨に濡れた街路に映るネオン、曙で染まる東の空。恋人たちの揺れ動く気持ちを光と闇で演出していて、コッポラの恋愛映画、夢心地になりました。分類されていますがミュージカルではなく、二人の気持ちを表したトム・ウエイツとクリスタル・ゲイルの歌が劇伴として流れます。
いつも一緒だった二人が互いを思っているのにケンカし、勢いで浮気相手を探してしまう。
離れ離れでも、合わせ鏡のように、自分の向こうに相手がいる映像。闇の中で見えるのは相手だけ。
フラニー(テリー・ガー)がハンク(フレデリック・フォレスト)を思うときに、室内の灯りが点灯するシーンが素敵です。
もう一度夢見たい大人の恋愛はちょっとファンタジーでした。
ウディ・アレンの「カイロの紫のバラ」や「飾り窓の女」を彷彿しました。
浮気相手に10代のナスターシャ・キンスキーが登場、サーカスの綱渡りの少女に扮します。
すべて巨大なスタジオセットの中での撮影。それもあって二人の夢見る世界は光の魔術師が見せた幻灯の世界のようでした。
大人の恋愛をリアル半分、ファンタジー半分で描くコッポラ、まさかのコッポラのロマンス映画、最高でした。(filmarksのスコアが低いのはなぜ?)