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ガールフレンド・エクスペリエンスのkuuのレビュー・感想・評価

3.8
『ガールフレンド・エクスペリエンス』
 映倫区分PG12
原題The Girlfriend Experience.
製作年2009年。上映時間77分。

スティーブン・ソダーバーグ監督が、主演に人気ポルノ女優サーシャ・グレイを迎えて製作した恋愛米国映画。

米国大統領選を間近に控えた2008年秋のニューヨーク。
エリート相手に恋人と過ごすようなひとときを提供し、2,000ドルを稼ぐ高級エスコート(コールガール)のチェルシー(サーシャ・グレイ)。22歳の彼女はビジネスをすべて自分でコントロールし、彼女の仕事を理解している恋人との関係も良好だった。
そんなある日、ほかの顧客とは違う感情を抱く男性客と出会い。。。

この映画の題名
『ガールフレンド・エクスペリエンス』
は、日本語にすると
『恋人気分』って感じかな。
米国の風俗広告とか目にするとメチャクチャこの言葉を見る。
日本風のデリへルで云うとこやと
『キス有』みたいな感じかな。
マンハッタンに住むチェルシーちゅう源氏名のエスコート・ガールがヒロインで、演じるんはポルノ女優のサーシャ・グレイ(2010年にポルノ業界を去ってます)。
野郎としては悲しむべきか、彼女はこの映画で1回しか見せない。
なにを?
と思われたら今作品をご覧ください🙇‍♂️。
おそらく、監督が見せたいモンはセックスじゃなく、米国資本主義やしやろな~。
チェルシーのプレイ内容は、まず高級レストランで飯くって、高級ホテルで1泊、翌朝モーニングコーヒーを飲んでバイバ~イ✋。
これで1回20万円。
高いか安いかは本人次第。
ソープの一回10万円は高いか安いか。。。😊。
余談ながら(過ぎますが)、江戸時代初期、中期、後記で吉原の遊女と遊ぶ費用の相場は、上級遊女から太夫、格子、花魁、散茶、端、局、そして梅茶などで値段は異なるし、またその当時の貨幣価値を現代のいくらに当てはめるかということも問題やけど平均して遊女と遊ぶのは1両。
米の価格を基準にすると1両=約10万円なんてよく云われてるけど、庶民の生活水準を考えると1両=20万円くらいが適当かな
(基本計算は一両=金二分=銀十六朱=4000~7000文で)。
チェルシーと江戸時代の日本人が吉原で遊女と遊ぶのと同じ金額なんは不思議な一致。
日本の男妾買うのより高いかな。
映画『娼年』の松坂桃李なら桁がちがうやろなぁ。
こないな値段やから顧客はウォール街にやってくる証券マンや銀行マンばっか。
実際、ウォール街には巨大な売春コネクションがあるそうで、NY州のスピッツアー知事(在任期間2007年1月1日~2008年3月17日)はそれを追及していたが、自身もエスコートとの関係がバレて辞任した。
関係ないけど、二日前の話で、
米NY州のアンドリュー・クオモ知事は8月10日、辞任する意向を表明したなぁ。
クオモ氏を巡っては1週間前、女性11人にセクハラしたと認定する州司法長官の報告書が公表されて辞任圧力が強まり、州議会での弾劾の可能性も出ていた。
キナ臭いNY知事たち。
話は戻り、
物語が始まるのはリーマン・ブラザーズが破綻した後の2008年10月。
チェルシーも投資とは無縁ちゃう。
高級な女子でいるためにゃ、稼いだゼニ(金)は高級ブランドの服やエステにつぎ込む。
ネットサイトも作らないとならへん。 それに風俗マニアのサイトで影響力を 持つ有名レヴュアーにもゼニ払わなあかんと。
米国のGDPって7割が個人消費。
米国はすでに何も作ってなく、国民の税金が政府を通じて、破綻した銀行に投入され、それがバブルを弾けさせた金融屋のボーナスになって、チェルシーに支払われる。
ほんで、高級ブランドに変わる。
政治と金融、そして売春と消費のサイクル。
ソダーバーグ監督は世界最古の商売って云われてる売春と、最新の金融理論に乗って暴走したバブル経済を結びつけて見せてる。
資本主義もずいぶん遠くまで来たもんや。。。
ニューヨークに暮らす高級コールガールの5日間をドキュメンタリー・タッチでつづって、大都会における金や性、人間関係を赤裸々に描き出してました。
一般映画初出演ながら、仕事とプライベートの間で揺れるヒロインを堂々と演じ切ったサーシャ・グレイの存在感が光ってました。
kuu

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