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鉄人28号 白昼の残月のsithmaroのレビュー・感想・評価

鉄人28号 白昼の残月(2006年製作の映画)
4.5
最初から最後まで、良くも悪くも今川節全開の映画。
当時は公開が遅れに遅れて、「実写版鉄人が大コケしたからお蔵入りになったのでは?」なんて噂まで流れた程、とにかく待たされた記憶あり。

忘れもしない横山光輝先生の命日に新宿武蔵野館まで観に行ったのは良い思い出。

予備知識なく、2004年版テレビシリーズの流れかと思っていたので、設定の大きな違いに面食らいもしたが、良くも悪くも「鉄人オールスター」的な映画になっていて楽しめた。

異常なまでに暗く、ジメジメした雰囲気は賛否両論あろうが、そこはかとなく漂うスチームパンク感とマッチしるので個人的には好き。
「もはや戦後ではない」と言われた昭和30年代の闇を抉るような作品ではあるが、こういうアプローチの『鉄人28号』があってもいいじゃないか。

ただ終盤に登場する「アレ」があれなもんだから、ロボットプロレスを期待して観ると拍子抜けしてしまうかもしれない。
とは言え、やっぱり「アレ」が登場した時のインパクトたるや、伊福部音楽の効果もあって、かの強烈さはいつまでも脳裏に焼き付いている。

好き、嫌い、は分かれるかとは思うが、一回は観ておけと言いたくなる映画。
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