たかちゃん

人生のお荷物のたかちゃんのレビュー・感想・評価

人生のお荷物(1935年製作の映画)
2.5
3人の娘を嫁がせ、人生に一区切りをつけた父親。隣室で寝ている9歳の息子を見て、「まだこいつがいた」と苦虫を噛みつぶしたような表情。妻に「こいつは学校なんか行かせず、丁稚にでもすればいい」と言い放つ。「あなたは自分の子供が可愛くないのですか」「このこのために言ってるんだ」と、息子が寝ている隣の部屋で言い争う無神経さ。ハッピーエンドとなるが、もし子供が父親の愚痴を聞いていたら別の展開になっただろう。小津の『お早よう』、成瀬の『秋立ちぬ』の子供の描き方からすれば物足りないのは、大人だけで話が進んで、子供の気持ちには踏み込まないからだ。「お荷物」というタイトルも含めて不愉快さが拭えなかった。どうせなら、子供が事故死して、父親が号泣するくらいの強烈なオチにすべきで、あまりに能天気な終わり方ではないか。
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