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僕はラジオのoden8のレビュー・感想・評価

僕はラジオ(2003年製作の映画)
3.6
"生徒はみんな、彼を大好きになった。メアリーもよ。フランクがどう言おうと、何も変えられない。"
"人のために何かをするのは、間違いなんかじゃない。" 
"でしょ?"
by リンダ

"君の方が私より、いい人間だ。"
by コーチ.ジョーンズ

"正しい事は多いけど。全て、行えるとは限らない。"
by 16時間連続勤務のママン

実話に元づく物語。

バリバリにスポーツ要素満載のフットボール映画だと思って観てみたら…全然違うじゃないかえ??
バリバリのヒューマンドラマじゃござりませんか。
彼らを結びつけたのがフットボールだから、フットボール映画でいいのかっ??

エド·ハリス氏が、とにかくグゥグゥググゥ〜ッドッ!!!!なのですよん。
渋みと甘さの緩急がエゲつねぇでござぁますの。
正直ね。ごめんなさいね。
こんなに格好良い俳優さんだと思ってませんでしたわん。
役柄が良過ぎたし。それに応えれる演技力の重みが凄かったんですのよ。

コーチ。教師。夫。父親。彼の役割は決して一つではなく。一人の人間として多岐に渡るのだけど。
だから、その時々により。彼が背負うべき責任と。彼の大切にしたいもの。が、往々にして変化するよね。
それでも。彼は、本当に曲げてはいけないことを見失わないの。
それに向き合う姿勢が、誰よりも人として力強く。そして温もりと熱さに溢れてたのね。

彼がフットボールと触れ合うにあたり、大切にしてきたこと。
"チームである"こと。
多様な考えや価値観、状態の人々が一つになれる。
それこそが、勝利を掴むよりも尊いことであり。彼の全てだったのかなぁと。

そんな彼が、一人の少年と出会い変化するの。少年がもつ"素直な優しさ"に触れ。過去の自分や、今の自分と向き合っていくんだよね。
"できること"と"すべきこと"は、常に"="じゃないから。誰もが、いつも強い人でいられるわけじゃないんだけど。
それでも、"すべきこと"があり。
それは。"愛すべきもの"に対して、どんなことがあっても正直でいることなんじゃないか。


物語を観てて、心が痛くなるシーンもあるんだけど…。コーチ.ジョーンズの熱さと、ラジオの温かさのおかげで。不思議と悲観的にならず。ちゃんと"彼ら"を見届けなきゃなという気持ちになるの。

こういう作品に触れると、"誰かの為に"って感じがちになるんだけど…。
それは"自分の正義を貫き通す"っていう、自分の生き方の為なんだよね。
自分の自己実現の為の行動が、誰かの人生の糧や幸福に繋がるなんて。
お互いにとって素敵なことだよね。

ラストに映し出され、実際のお二人の映像が本当に素敵やった。


"教師じゃなければ、お前を殴ってる。"
"お前は何も学んでないな。"
"誰にもバレないと思っても、私は勘弁しないぞ。"
"ラジオは黙ってたよ。ほかの連中はどうだろうか。"
by ジョーンズ

あの時の少年の眼差しが
今でもワタシに問いかける
ワタシができることは
何もできなかったワタシを
ワタシは許せない
そんなワタシを変えてくれたのは
優しさを教えてくれたのは
本当に大切にしたいものを気付かせてくれたのは
ラジオ キミの真っ直ぐな優しさ

Cast(役者·キャラ) 4.5
Story(物語) 4.5
Architecture(構成) 3
Picture(画) 3
Acoustic (音) 3
24-98
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