ポンコツ娘萌え萌え同盟

照る日くもる日 後篇のポンコツ娘萌え萌え同盟のレビュー・感想・評価

照る日くもる日 後篇(1954年製作の映画)
3.9
10分くらいの長い前作のあらすじを抜けた先は、前作の決着…がつかずに後編が始まる。

だけど物語は京へと進み池田屋騒動の襲撃から怒涛の京の舞台の始まりに満足したけど、それでは終わらない。幕末の流れが激化してきているのを感じる。

前編にあった物語の苦い因縁は更に深く絡み上げ、年雄の真実は倒幕と暗殺団の幕末の世界観が産み落とした下では因縁。

年雄中心に人間関係を考えるとアラカンを演じる白雲堂は不思議なキャラだ。白雲堂がいなければもしかしたらある有名な神話(かなりネタバレになるので詳しくは伏せる)、もしくはその正反対にもなる可能性を秘めている。
だけど本当は白雲堂に関しては倒幕運動に身を投じる人間だが、意外と考えてみると本作に出てくる登場人物とは大きく因縁のあるキャラではない。

だからこそ物語の第一人者にして第三者であるからこそ、この「照る日くもる日」の世界の哀しき因縁の連鎖を断ち切ることができたのかもしれない。

もちろん年雄以外でもお銀の二人の子分考えの対立などの人間模様も見どころだけど、一方で本編の年雄と妙の関係の結末は?など疑問が生じるところもあれど面白い。

演出もよく特に終盤からの息をつく暇もない展開と新選組とアラカンの乱闘。ベタだけど亥の刻の鐘の音は急かせる。八郎と年雄のところに吹く風、緊張感がとってもクライマックスでした。
前編のような顔ドアップはないものの緊張感はよく描けていた。

……あれ?数日前にも新選組とアラカンの戦い見た気がするぞ?