冒頭のヘタクソなトランペットからの風の又三郎で、もう私の心はつかまってしまう。
奇しくも、ダルデンヌ先生の描くブルーシート表現に泣かされた翌日、城定監督のブルーシート表現にまたグッときてしまった。ブルーシートがこんなに心を揺り動かすアイテムになるとは思いもよらなかった…
不条理ギャグ漫画風のお話をベースに、異質な他者との触れ合いや、自分との対話、親との対決、淡い恋などが76分に盛りだくさん。ご都合主義もツッコミどころだらけなのもVシネだからこそ許される、弱点を武器に変えちゃうスタイルが好き。
劇中のホームレス中学生が歌う社会風刺ふうの歌も、エンディングの青春ロックふうの曲も本作のために作ったオリジナルみたい。あ〜こういう演出あるある!って感じで、パロディ感満載なのがイイ。
チープだし、おかしなところもたくさんあるのに、なんかいいもん観たって気になれました。