籠の中の乙女のカルダモンのレビュー・感想・評価

外の世界は危険がいっぱい。
クレイジーパパandママに育てられた長男、長女、次女の三兄弟はプールや芝生がある広大な敷地でのびのび暮らす。外の世界からは隔絶され、親から与えられたもの以外はなにも知らない。彼らには名前さえない。ある日、父親が外界から連れてきたクリスティナという女性により家族に波紋が広がる。疑念、気付き、芽生え、欲望、嫉妬、恐怖。
「犬歯が生え変わったら外に出ることができる」という父親の教えを信じて。原題『DOG TOOTH』

冒頭わずか数分で感じる違和感。
言葉や表情の端々から発せられる不条理。
どこかがおかしい→色々おかしい→異常！
という家庭の過程。
残される家族の気色悪さと後味。
やっぱりランティモスはどうかしている。
いまだに好きか嫌いかわからない。好きだし嫌い。どっちでもある。毎回なにかしら心に引っ掻き傷を負わされることは確か。


父親の犬の鳴き真似が上手すぎる。この映画で一番わからないのは父と母の心理状態。外界と家庭の間でどういう心の均衡を保っていけばこの家族を維持できるのか。