いのうえ

籠の中の乙女のいのうえのレビュー・感想・評価

籠の中の乙女(2009年製作の映画)
3.8
ヨルゴスランティモス監督の過去作をさらうため、配信にて鑑賞。

ある程度予想はしていましたが、なかなかにいじわるな作品でした。きちい。

作品によってリアリティラインは異なるものの、ストーリーの寓話性の高さというのは監督の作家性だなと改めて思ったりしました。

その中でも、見終わった後に「これどういう気持ちになれと?」という感想が湧くような読後感は、ヨルゴスランティモスが脚本にもクレジットされている、「聖なる鹿殺し」「ロブスター」にかなり近いなと思いましたね。毒味強め。

直近2作のトニーマクナラ脚本も良いですが、たまにはヨルゴスランティモス自身も脚本に参加して、毒っ気たっぷりのいじわるな作品も継続的に作ってほしいなと思います。

あと、めっちゃ余談だけれど、
原題(ギリシャ語)も英題も「犬歯」という意味のタイトルなのに、邦題は「箱の中の乙女」ということだけれど、この映画がもし今公開されるならきっと邦題は原題の意味をそのまま邦訳したものになるんじゃないかしらと思ったりしました。