GOODNIGHT

マクロスプラス MOVIE EDITIONのGOODNIGHTのレビュー・感想・評価

マクロスプラス MOVIE EDITION(1995年製作の映画)
4.0
久しぶりに見ました。

⭐︎90年代アニメの金字塔
アニメーターが楽しんで描いてるなあって感じた。
メカとミュンをこれでもかっ!って描いてるのがとても良かった。
メカはとにかく、描き込みがすごい。
薬莢の一つ一つを渾身の画力で見せているすごい。
 そしてミュン!
摩砂雪さんの理想のデザインなんかなあーって感じて見てました。
摩砂雪さんのデザインって今は受けないのかもしれないけど、俺はめちゃくちゃ好きなんですよね。
 あのアゴと鼻梁のラインがキレッキレではっきりしたデザインで印影をくっきりすっきりつけるのがめちゃくちゃ好き。
エヴァのラインは摩砂雪さんのラインなんだよなあ。
 ミサトさんをちょっと柔和にした感じのミュンが可愛いってかキレイ、美しいって感じです。
 んで、アニメーターさんが女体を描きたいんだあ!って感じのエロと芸術の狭間のギリギリを描いてる感じに情熱を感じます。ミュンの衣装も複数用意されているのもナイス。
 一番、笑ったのは触手プレイ(電気ケーブルだけど)で緊縛されておっぱいが締め付けられるシーンの服のシワとか、ロマンの塊ですよね!
 このオタク的な表現のカタマリでライト層は相手にしてない伝統芸能っぽいアニメです。嫌悪感を感じる人はお断りって感じが突き抜けていて素晴らしいわけですよ!
 最近のアニメではもう作らない、作れない領域です。
 とにかくミュンのいろんな表情が描かれていて特に苦悶系の表情に力がこもっています。アニメってこれだよなあ。って感じた。あぁ、この頃のアニメが一番好きだなあ。
⭐︎テーマ
イサムとガルドのお話は、まあ置いといて。
ミュンについて。
 夢や希望って言うモノを簡単に口にしすぎではないかって言うハナシです。
 特に芸能、芸術分野を夢みて努力してる人はミュンの気持ちに寄り添えるはず。
 ミュンは身勝手に見えるかもしれないが、世の中の大人はみんな、ミュンのように屈折してるよね。夢に向かって、全身全霊、命を賭けて取り組んでも報われないことの方が多い。だから夢なんだって大人は子供達に告げないといけない時代なんじゃないか?
 この映画はもう30年弱前の映画だけど、この頃にもう既にアニメのテーマになるような主題だったわけ。
 夢が潰えたら、なんにも残らない残骸のような人生を歩むことになるってちゃんと教えてあげないと。
 少なくとも俺はミュンが悪いとは思えない。
 ある意味で、ガルドもイサム、ミュン、3人とも夢に取り憑かれて、行き先も見えない無謀な旅に出た結果が、ガルドの死だったように思える。またガルドの叶わぬ愛の行く末は、ミュンのために死ぬことだったようにも感じた。
 愛は人を救うこともあるが人を死に至らしめることもある。度し難いものだ。
GOODNIGHT

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