Asino

耳に残るは君の歌声のAsinoのレビュー・感想・評価

耳に残るは君の歌声(2000年製作の映画)
3.7
初見でした。
ロシア、イギリス、パリ、そしてアメリカと、流浪することになる女性の半生。戦間期からパリ陥落直前までくらいの時代を描いているので、ロシアのユダヤ人であった主人公だけでなく、パリのイタリア人やロマの人々も翻弄される。

このころ(2000年)ってこういう戦時期の女性のドラマチックな半生記、みたいなのやたら流行ったよなぁ、と思い返したりもするのですが、そこはサリーポッター作品なので(?)、演出的にはすごいドラマチックにしてる訳じゃなく。すごく独特の雰囲気。

あらすじとしてはびっくりするくらい波瀾万丈なのだけど、主人公とその恋人の台詞はすごく少なくて(特にジョニデ)、一方で1930年代のパリの街を白馬が駆け抜ける!とか、オペラの場面(プラシド・ドミンゴがジョン・タトゥーロ演じるオペラ歌手の吹き替えしてる)とか、ちょっと不思議というか浮世離れした美しい場面も多く、イディッシュ語やルーマニア語なども含め多言語が入り乱れる雰囲気も嫌いじゃなかった。

クリスティーナリッチの独特のルックスは戦火迫るヨーロッパの雰囲気にぴったりだったけど、ロシア語訛りの英語を話すケイト・ブランシェット様の、なんというか世俗的な生々しい美しさも今となってはむしろ珍しくて。
U-Nextのケイト・ブランシェット特集に引っ掛かっただけなんだけどそれはそれでよかったな。
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