地球よりも遥かに高度な文明を持つ惑星K-PAXからやって来たという男(ケビン・スペイシー)が、精神病院の中で様々な奇跡を起こすSFファンタジー。
自分は異星人だと称する男プロートが病院に送られてくる。彼の治療に当たるのは精神科のパウエル医師(ジェフ・ブリッジス)。初めは戯言と思っていたパウエルだったが、驚いたことにプロートは、専門家より宇宙に詳しく、また神秘的な力を備えていた。
多くの人と同じ様に、私もこの映画を途中までミステリー的な見方をしていた。果たして彼は本当にK-PAXからやって来た異星人なのか?それとも妄想を抱くただの変人か?
映画を最後までしっかりと見れば、この謎は解くことができる。だが、この映画が伝えたかったのはそこではない。
実はこの映画の主人公は、プロートではなくパウエル医師だったとも考えられる。プロートとの交流の中で、パウエルは忘れかけていた大切なことに気づかされる。
見終わった後は、なんとも言えないいい気持ちにさせられる。プロートと関わって変わっていった人達にとっては、彼が異星人か変人かは、実はどうでもいい話の様な気さえしていたから不思議だ😊
それにしても人間だか宇宙人だかわからない役という難題を、いとも簡単に演じてしまったケヴィン・スペイシーの役者としての力量には感心するほかない。