ゆみモン

女の勲章のゆみモンのネタバレレビュー・内容・結末

女の勲章(1961年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

原作:山崎豊子
脚本:新藤兼人
監督:吉村公三郎

山崎豊子原作にしてはスケールの大きさに欠けるが、面白かった。

ファッション業界の裏事情物語。
デザイナー大庭式子(京マチ子)は、3人の女弟子(若尾文子、中村玉緒、叶順子)と共に服飾専門学校を設立する。
そこに絡んでくるのが、何故か図々しいまでに学校設立にも拡張にも奔走する銀四郎(田宮二郎)。この銀四郎が、4人の女達と次から次へと関係を持ち事業拡張に利用し、物語を動かしていく。

この田宮二郎が面白い。コテコテの流暢過ぎる?関西弁と、胡散臭さ全開のキャラクター。『白い巨塔』の神経質な医師役より、よっぽど生き生きしている。

そして、利用されている女達も、銀四郎の意のままに動いてるようで、ちゃんと損得勘定している感じだ。一番純粋というか計算高くなかった式子が、結局一番傷ついて自殺という悲しい結末になってしまった。

田宮二郎、森雅之、内藤武敏、船越英二…の男性陣、
京マチ子、若尾文子、中村玉緒、叶順子…の女性陣、
それぞれのキャラクターがしっかり描き分けられ演じ分けられていて、さすがだ。