アトミ

高校大パニックのアトミのネタバレレビュー・内容・結末

高校大パニック(1978年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

82点

夏。
九州・博多
九州大学。
門の前でブツブツとカウントダウンを繰り返し、工事中のビル屋上から飛び降りた男子高校生。地面には参考書が散乱。


『高校大パニック』


翌日。
名門中洲高校。
朝のホームルーム時、校長は3年7組の田中正二が飛び降り自殺したことを報告。
それは中洲高校の受験教育の激しさ、テストの結果、受験苦が招いたものかとメディアが騒ぎ立てていることに触れ、惑わされることなく受験勉強に励むよう望むと締めくくる。

7組の教師伊原(数学)は受験勉強を始めるよう生徒に指示。
クラスメイトの1人がホームルームの時間だけでも田中を偲ぶことを提案した。
が、クラスメイトの殆どは勉強を始める。
と、大人しい城野がブチ切れ、「田中を殺したのはお前たい!」と伊原に殴り掛かり、校舎を飛び出した。

職員室でもこの暴力事件が話題になっていたが教師は城野が田中の事で動揺していたと問題にしなかった。


街を放浪する城野。
銃砲店から衝動的にライフルと弾をパクり、トンズラ。神社で装填。
城野は目を剥き、伊原が田中に「九大は無理」だとクラスメイトの前で通告した事を思い出す。幟でライフルを包み、走る。


その頃。
7組。
数学落ちこぼれの村上みほこ(浅野温子)は廊下に立たされる。
が、一礼し、どこかへ行ってしまう。
と、数学落ちこぼれの馬場。伊原は「クズは校庭走れ」と指示。ブチ切れた馬場は「人間は数学が全てやない!」と口答えし教室を飛び出す。

城野は裏通りを走る。
が、ランニングするオッサンに見られてしまい通報される。
中洲高校に警察から連絡が入る。

7組。
現れた城野は「数学できんのがなんで悪いーっ!」と伊原を銃殺。女子生徒にも当たり重体。城野は我に返って教室から飛び出す。
パトカー到着。

図書室。
外を眺めながらブツブツと歌をうたう村上。

校舎の裏手へ逃げる城野。
救急車で運ばれる女子生徒。続々集まるパトカー。
生徒の避難を開始しようとした校長だったが県警特捜課長杭田が犯人の所在が分かるまでは避難はさせるなと指示した。

校舎内で警察に見つかった城野は1階女子トイレに逃げ込み、1人の女子生徒を人質に立てこもる。
が、警官を撃ち、2階へ逃げる。
生徒の避難が始まっていた2階はパニック状態となる。
城野は逃げ遅れた生徒がいるにも関わらず追ってきた警官に向け発砲。警官が応戦。城野は左足に銃弾を受ける。

栗田は無線で「あくまで生徒を守る為の威嚇」という体で犯人を撃つ指示を出し、タバコに火をつけ、本部長に特殊銃隊の出動を要請。

図書室(3F)。
逃げ込んだ常野はドアをロック。
入口ドアのガラスに穴を開け、ディフェンス。
残っていた生徒達を人質にし立てこもる。

校門。
逃げる生徒達を撮る記者達。
生徒にインタビューする記者達。

教室(図書室近く)。
教師達は親友である馬場に常野を説得して欲しい頼むが、馬場は常野の気持ちがわかると拒否。

図書室。
生活指導の尾形先生(以前常野と酒を交わしながら悩みを聞いていた)が廊下から拡声器で説得。
が、メディアのヘリで声がかき消される。
と、1人の女子生徒が窓から体を乗り出し、ヘリに助けを求めた。城野は女子生徒を中へ引き入れようとしたが、女子生徒は窓から転落。ヘリに発砲し、入口ドアに戻り、ディフェンス。

両親到着。
廊下から拡声器で泣いて説得。
城野は「うるせぇー!」と泣いてブチ切れて発砲。
栗田は一旦常野を落ち着かせた方が良いと判断し、両親と教室へ。


図書室。
秀才くんが解放して欲しいと城野に要望。
が、数学ができない逆恨みに何で巻き込まれなきゃならない?と一言多くて常野がブチ切れ。揉めてる間に数人がドアロックを外して図書室から脱出。
銃口を口に押し込められた秀才くんは失禁。
城野が「汚ぇっ」と怯んだ隙に脱出。残るは村上と戸倉の女子生徒2人となる。

校門前。
テレビ局、野次馬、右翼(ついでに民主教育を批難)でごった返す。
メディアの前では「犯人射殺は考えてない」と伝える栗田。

図書室。
村上は暑さに耐えきれず水を飲みたいと洗面台でハンカチを水で濡らし、エロティックに首筋を冷やし、エロティックに水を飲む。
城野は目のやり場に困る。

教室。
尾形は栗田に人質の身代わりになりたいと相談。その作戦に出てみる。が、発砲され、「殺せ!」とブチ切れ

図書室。
城野はレコードを大音量で流し、開かずの扉(非常口)を壊し、2人を連れ非常階段を降りる。
が、戸倉がへたり込んで動かないため村上だけを連れて裏門の方へ。
そして別校舎の非常階段から屋上の化学室に逃げ込む。
連絡を受けた栗田は特殊銃隊に屋上化学室に向かうよう指示。

化学室。
城野がドアにおしっこ。
村上は物陰に隠れおしっこ。
音で気づいた城野は気になってしまう。
顔を見合せちょっと照れ笑いな2人。
恐怖心のない村上に理由を尋ねる。
村上は「全部自分には関係ない事だから」と。
城野は村上がいつかの数学の授業中に窓の外を眺めながらブツブツと歌をうたっていた事を思い出した。
と、タバコに火をつける村上。常野にも差し出す。吸って咳き込む城野。
村上は城野がいつも1人で走っていたことを知っており「止めないでずっと走ってたらよかったのに」とボソリ。
と、スコール。屋上に特殊銃隊到着。
警察部隊も化学室へとにじり寄って行く。

村上は博多祇園山笠の男は魅力的だとボソリ。今年受験だが城野は「今年も山笠を担ぐ」と力強く答える。
と、屋根にいる特殊銃隊に気づいた村上は城野をしゃがませる。
焦った城野はテーブルの上にある実験道具を落とし、窓にテーブルを立てかける。
と、薬品が引火。2人で消火。が、化学室は煙が充満。
栗田は特殊銃隊に「見えたら撃て」と指示。

と、特殊銃隊が発砲。
銃弾は城野ではなく村上の胸に命中(常野がブラをめくって確認)。
発狂し、警官隊に乱射する常野。
が、特殊銃隊の銃弾を腕に受ける(かすり傷)。

特殊銃隊は「誤認で人質を撃った」と栗田に報告。栗田は撤退を指示。警官隊に強行突破を指示。
なだれ込んできた警官隊に確保される城野。
「来年受験なんだ!離せ!ラジオ講座があるんだーっ!」と発狂。
パトカーに押し込まれ連行された。






というお話。
汗びっしょりでムンムンな作品。
真夏でムンムン。不快、不満、不条理、そのやり切れないモヤモヤもムンムン。そこに色気ムンムン。
若者の発狂も然り。エネルギーの熱量でまたムンムン。素晴らしいね。
もちろん浅野温子が良い。
アトミ

アトミ