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オーソン・ウェルズの オセロの一人旅のレビュー・感想・評価

3.0
第5回カンヌ国際映画祭グランプリ。
オーソン・ウェルズ監督作。

シェイクスピア四大悲劇の一つ『オセロ』の映像化作品で、ウェルズ自身が主人公オセロ将軍に扮している。
物語は難解かと思いきやかなり単純で、オセロを憎む家臣イアーゴの虚言によって引き起こされる悲劇を描いている。
人格者的存在であるオセロが疑心と嫉妬心に狂い、徐々に正気を失っていく姿が恐ろしい。そしてそれ以上に、オセロに対するイアーゴの徹底的な感情操作や謀略の数々に恐怖を感じる。あくまで忠臣であることを訴えつつ、心の奥底では主君オセロを陥れることだけを目的にしているような恐ろしい男だ。

オセロの妻デズデモーナに扮したシュザンヌ・クルーティエの美しさが際立つ。美し過ぎるがゆえに、主人にあらぬ疑いをかけられてしまう悲劇の妻を好演していた。
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