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オーソン・ウェルズの オセロのkazu1961のレビュー・感想・評価

4.0
🔸Film Diary🔸
▪️本年鑑賞数 :2022-164 再鑑賞
▪️死ぬまでに観たい映画1001本-※※※

🖋オーソン・ウェルズがシェイクスピアの四大悲劇のひとつ「オセロ」を完全映画化した幻の傑作と言われる作品です。その完全主義からハリウッドを追われてモロッコで4年の年月をかけて制作した作品で、1952年度のカンヌ国際映画祭パルムドールに輝くも、ネガを紛失し長く陽の目を見ることがなかった作品です。その後ネガが発見され修復版がアメリカで公開されたのが、1992年だったんですね。

🖋90分の短い時間でシェークスピアの世界観を損ねることなく、短いショットの連続でスピード観とリズム感を醸し出す演出と大胆なモノクロの陰陽を駆使する演出は芸術の域です。特に冒頭の主人公オセロと妻デズデモーナの葬列をシルエットで捉えるショットの美しさは圧巻。

🖋主人公オセロ自体をウェルズ自身が演じているのも素晴らしいですが、イアーゴ役の名優M・マクラマーの全てを悲劇に導くその死神のような演技が素晴らしい。これによって全体的に死の匂いが漂うことになります。

🖋人間の欲望と嫉妬。。。シェークスピアならではのこの本質的なテーマを見事に映像化した作品です。オセロの表情が嫉妬から怒りへと変貌する描写が全てを物語っています。

😨Story:(参考: Amazon)
オセロはヴェニスのムーア人。妻の名はデズデモーナ。将軍であった彼は、数々の戦争で名を馳せ、市民の尊敬を集めていた。しかし猜疑心の強いオセロは、家臣のイアーゴーから妻が別の家臣と不義の関係にあるという密告を受けると、罠とも気付かずに完全に信じ込んでしまう。オセロは妻の貞操を疑い、嫉妬し、嘆き、そして最後には……。

🔸Database🔸
・邦題 :『オーソン・ウェルズのオセロ』
・原題 :『The Tragedy of Othello: The Moor of Venice』
・製作国 : モロッコ
・初公開 : 1952
・日本公開 : 1993/07/10
・上映時間 : 90分
・受賞 : 第5回カンヌ国際映画祭
パルムドール
・監督 : オーソン・ウェルズ
・脚本 : オーソン・ウェルズ
・原作 : ウィリアム・シェイクスピア『オセロ』
・撮影 : アンキゼ・ブリッツィ
・音楽 : アンジェロ・フランチェスコ・ラバニーノ、アルベルト・バルベリス
・出演 : オーソン・ウェルズ、シュザンヌ・クルーティエ、マイケル・マクラマー、ロバート・クート

🔸Overview (参考:映画. com)🔸
ウィリアム・シェークスピアの古典戯曲の映画化。監督・製作・脚本・主演は「黒い罠」のオーソン・ウェルズで、難航した製作資金調達のため四年間かけて撮影され、一九五二年カンヌ映画祭グランプリを獲得しながら、五五年にアメリカで短期間公開された後、幻の名画となっていた作品。ウェルズの娘ベアトリス・ウェルズ・スミスの依頼で、ドキュメンタリー作家のマイケル・ドーソンが20世紀フォックスの倉庫で発見したフィルムに、サウンド・トラック部分にドルビーステレオによる再録音を加えた修復版で、アメリカでは九二年三月に公開された。撮影はジョージ・ファント、アンキーゼ・ブリッツィ、G・R・アルドの共同。音楽はフランチェスコ・ラヴァニーノとアルベルト・バリベリスが担当。他の出演は「愛人ジュリエット」のシュザンヌ、クルーティエ、アイルランド出身の舞台俳優・演出家・劇作家で、本作が唯一の映画出演となったマイケル・マクラマー、イギリス舞台出身のロバート・クート、イギリス映画界の伝説的な名女優フェイ・コンプトンなど。
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