もものけ

さまよう魂たちのもものけのネタバレレビュー・内容・結末

さまよう魂たち(1996年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

天国は、時が経てば辿り着く場所で、それは自分が決めるものじゃないのよねぇ〜……。

フランク・バニスターは町で心霊調査員としてインチキ悪魔祓いをして生計を立てていた。
その町はかつて連続殺人鬼バートレットが12人を殺害した事件があり、共犯者とされた未亡人パトリシアが、郊外の屋敷で母親とひっそり暮らすが、ポルターガイスト現象に悩まされている。
そんなある日、パトリシアの女医であるルーシーの家でポルターガイスト現象が起き、調査に訪れたフランクは夫の額に謎の数字が浮かび上がるのを見るが、それは町を巻き込む不可解な事件の始まりだった……。


感想。
定期的に鑑賞しております👍

名作青春ムービー「バック・トゥ・ザ・フューチャー」コンビ、ロバート・ゼメキス監督とマイケル・J・フォックスが、「ロード・オブ・ザ・リング」のピーター・ジャクソン監督をアメリカでデビューさせたコメディ・ホラー映画。
名作「ブレインデッド」でホラー映画のセンスが光るピーター・ジャクソン監督が、持ち前のコメディタッチで送り、CG技術を後の「ロード・オブ・ザ・リング」に転用するなど大作への出発点ともなる作品です。

娯楽映画の神様ロバート・ゼメキス監督が製作ともあり、テンポのよいコミカルな安心して観れるホラー映画となっております。

パロディ要素もふんだんに取り入れてあり、中でも「フルメタル・ジャケット」のハートマン軍曹が亡霊で登場するシーンは、大笑いです。
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のビフらしき女医の夫のキャラにも笑いを誘われます。
亡霊キャラクター達それぞれにある個性が楽しいです。

エセ心霊調査員がホンモノの亡霊に巻き込まれるホラーかと思いきや、普通に亡霊達と過ごし、彼らを操ってポルターガイスト現象を依頼に結びつける狡猾なキャラクターですが、妻との想いなどセンチメンタルな演出もあり、笑って泣けます。

マイケル・J・フォックスは役者として高い演技力と、器用さで魅力的な俳優ですが、後にパーキンソン病で映画業界をお休みしていて、惜しまれる才能でしたが、その全盛期に撮影された若々しい印象で、コミカルな演技が冴える作品です。

傑作ホラー映画「死霊のしたたり」Dr.ハーバード・ウエスト役のジェフリー・コムズが、FBI捜査官ダマーズで中盤から登場して驚かせます。
オドオドしながら早口でまくしたてる怪演は、個性的俳優であるジェフリー・コムズの冴え渡る演技力でコミカルにいい味を出しています。
「私の空域を犯すな!」は、名セリフです(笑)

殺人鬼が起こすポルターガイスト現象を壁などから別次元のように隆起して表現したり、死の間際に天国へのループが開き、光の輪をくぐり抜けて天国へ登る臨終シーンの幻想的な演出など、斬新な手法を取り入れています。

捜査官が超常現象の崇拝者だったり、母親ではなく娘パトリシアが元凶だったり二転三転するストーリーのスリラー要素も面白いです。

サイコホラー、スリラー、オカルト、コメディ様々な要素を盛り込んだ名作に、5点を付けさせていただきました!!
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