かずシネマ

ミッドナイト・イン・パリのかずシネマのレビュー・感想・評価

ミッドナイト・イン・パリ(2011年製作の映画)
3.8
モネの絵みたいな景色だなぁと思ったらモネの話題が出た。

ウディ・アレン作品は作中のマシンガントークに疲れてしまうので苦手なんやが、こちらは大丈夫だった。
なんでだろ。マシンガントークの中身が自分の興味のある話題だったからか?
というか、むしろ良かったんだが。
え、なんか嬉しい。ウディ・アレンで初めて自分にも合った作品や。

自分だったら、もしもあんな状況になったらまず泣くw
憧れの人達と交流する余裕なんて無い気がするわ。

そもそも。どうしてあの2人って付き合ってたのだろう、と思う。
肝心な部分が合わないのに婚約の段階までいってしまうって…まぁ有りがちな事と言えばそうなんだけども。
結局どちらともがしんどいのよな、ああいうの。
彼女の立場からしたら、感覚が合わなくて理解出来ない事を言い、退屈してしまう婚約者よりも、ああいうもっともらしい薀蓄(それが正確な事とは言っていない)を垂れて博識っぽい(博識とは言っていない)人の方が良さそうに見えるのは分かる気もする。
自分は主人公の感覚の方が好きやけどな。
でも、彼女の持ち物を別の女性に渡そうとしたのはアウトやなw
普通に泥棒やし、何より両方に失礼過ぎる。

キャシー・ベイツからの指摘がほんま好きやったわ。

どの業界の事でも、むしろ個人的な事でも「過去への憧れ」って別に持ってても良いと思うんだよ。
その上で、ちゃんと今を生きていれば。
何に置いても今を全否定して昔を全肯定する、みたいな事は駄目だと思うけど。

自分も、日本で言うなら竹久夢二〜小林かいち辺りの時代への憧れってあるよ。
あの人達は作品を作るにあたって、どんな風に世界や人を見ていたのだろうって。
あの美しく可愛い作品を残せるって、どんな素敵な時代だったのだろうって。
少し後だと中原淳一〜藤田ミラノ。
更に後だと内藤ルネとかもそうやけど。
やけど、それらの時代があるから今があるのであって。
今だから先人の残した良いものを良いと思えるのであって。
今だから、今の良い部分、昔の良い部分、両方を吸収できるのであって。

何より今「この人と同じ時代に生きられて良かったなぁ、幸せだなぁ」と思える人が沢山いるからな。

入り方も終わり方もすげー良かった。
やっぱり建物を含めた景色を綺麗に切り取りますな。

エイドリアン・ブロディのダリ、ハマり過ぎやろw
かずシネマ

かずシネマ