seahawk

宮廷料理人ヴァテールのseahawkのレビュー・感想・評価

宮廷料理人ヴァテール(2000年製作の映画)
3.4
実在した天才料理人ヴァテールの、贅を尽くした3日間の饗宴と悲恋(そこはフィクション)を描く。

史実に基づいてレシピを再現したそうだが、肝心の料理よりも大がかりな舞台装置や煌びやかな装飾ばかりが映る。美味しそうなのは、ヴァテールが発明したというホイップ・クリーム。舐めてみたくなる。

映画の出来は、素材は面白い。飾りつけも豪華で見応えがある。しかしお味については、莫大な制作費を考えるとコスパはあまり良くない。

ドパルデューの風貌だから(息子ギョームが演じたならば別だが)、シラノばりに究極の片想いでも良かったし、いっそ色恋は一切なく、ただその信念と疲弊のための決断であれば良かったと。

事実、ヴァテールのおかげでその後の料理人の待遇が変わったそうだから、そこら辺を知りたかった。

と、偉そうにうんちくを垂れてしまったが映画を見るまでヴァテールのこともシャンティー城のことも知りもしなかった。映画に出会い歴史上の人物や舞台に興味を抱ける。史劇の醍醐味は存分に味あわせてもらいました。
seahawk

seahawk