菩薩

青春の蹉跌の菩薩のレビュー・感想・評価

青春の蹉跌(1974年製作の映画)
4.4
日和見主義vs闘争主義が最も顕著に現れているのが何処かと言えば桃井かおりのおっぱいである点をまず指摘せねばならない。大きさは完璧であり、感度もおそらく良好でありながら、右はビンビンに勃起している一方、左は常に陥没しているその乳首、まさに新左翼闘争における敗北及び逃走が彼女のおっぱいにズバリ象徴されており、彼女のおっぱいは全ての敗北者の象徴であると言っても過言ではない(事もない)。そんな桃井かおりがとてつもなく輝きを発する場面が幾度となくある、まるで命そのものを燃やしているかの様な圧倒的輝き。ショーケンは常に不機嫌が付きまとい、常に自問自答を繰り返している様に見える、次に何をすべきか?その答えを探しながらも、ひたすら間違いを犯し続ける。ゲレンデの滑降及び転倒、自転車の停滞、斜面の崩落、その対称にある穏やかな海、飛び込んでしまえば、泳いでしまえば、水の中のナイフの切れ味は錆びついてしまう。他人の人生を背負う事、他人に人生を背負わせる事についての苦悩、のしかかる重圧に潰される末路。フォークの神様こと岡林信康がエンヤトットに開眼するのはまだまだ先の話であるが、何かしらの繋がりがある様な気がしてならない。100円をせびる女、無造作に差し出される小切手、青春の蹉跌、どこにも逃げられやなんかしないのだから(僕は逝かねばならない)。
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