マヒロ

アダプテーションのマヒロのレビュー・感想・評価

アダプテーション(2002年製作の映画)
3.5
『蘭に魅せられた男』というノンフィクション小説の映画化のための脚本を頼まれたチャーリー・カウフマンが、どうにもつまらない原作に難儀しまくった結果、「じゃあこの悩みまくる自分をそのままお話にしよう!」というファンキーな結論に至った結果出来た映画。

チャーリー・カウフマンを始め、関係者たちはみんな実名で出てくるんだけど、その人たちに対するこってりとした悪意が面白すぎる。まず『蘭に魅せられた男』の原作者の女性にしても、原作はこき下ろすわとんでもない人物(ネタバレになるので控える)として描かれるわだし、カウフマンも自分のことをオ〇ニー中毒の才能の無いハゲデブとか言っていて、ヒネクレもここまで行くとすがすがしい。

展開も一筋縄ではいかなくて、悩みまくるカウフマンと本のための取材を進める原作者の描写が交互に描かれながらやがて思いもよらない展開になっていくんだけど、その展開ですらハリウッド映画に対する強烈な皮肉になっていて、流石という感じ。ただ、そのせいで若干勢いが削がれてるような気もするが…。

(2015.35)
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