山田風太郎は私が一番好きな小説家で、原作はもちろん読了済。ただ小説としては傑作とは言い難い本作。
果心居士と松永弾正の連合に対し、恋人を殺された忍者(真田広之)が単身で戦いに挑む。魅力的なストーリー設定ではありますが、女の首を付け替えたり、敵の忍者(原作では根来衆)使う妖術がかなり荒唐無稽で、エロ要素も強めなにで、かなりキワモノ寄りの忍者アクションとなっています。勿論、山風としては平常運転の世界観で、原作を忠実に再現しただけなのですが…。
本作最大の殊勲は中尾彬演じる松永弾正ですね。
なんといっても、戦国時代の屈指の梟雄、のキャラが立ちまくり。東大寺の焼き討ちなどの史実を交えているところが嬉しい。
柳生十兵衛の印象が強い千葉真一が演じるのが、十兵衛の祖父である柳生石舟斎というのも素晴らしい。彼と真田広之の師弟コンビのアクションは当然ながら素晴らしかったです。
それにしても、山田風太郎小説の映像化ってホント難しいですよね。小説であんなに面白い「甲賀忍法帖」「魔界転生」も、映画になるとキワモノなっちゃうんだもの。