イチロヲ

ルナの告白 私に群がった男たちのイチロヲのレビュー・感想・評価

3.5
貧困層の母子家庭で育てられたハーフの女性(高村ルナ)が、持ち前のハングリー精神を利用して、芸能界を立ち回っていく。芸能界入りを果たした女性の数奇な運命を描いている、日活ロマンポルノ。

アイドルグループ「ゴールデンハーフ」に加入していた、高村ルナが本人役で登場。デビュー以前からポルノ女優転身までを赤裸々に語っており、業界から抗議を受けても「映画はフィクションですから」で逃げられるようになっている。

本作の主人公ルナは、タレントとしての心構えが不完全なうちから、表舞台に立たされてしまう。そして、芸能マネージャーの傀儡となり、賞味期限が切れるまで労働させられる(セックス接待含む)。

芸能ルポライターによる解説を交えながら進行するスタイルが面白く、小原監督本人がルナを口説くシーンまでもが挿入される。ポルノ映画の女優もまた、作り手にとって都合の良い傀儡に過ぎないことを暗示させる語り口が素晴らしい。
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