YT。24-70。イタリア語版で字幕なし。たぶん2、3回目。原作はエドアルド・デ・フィリッポの戯曲『フィルメーナ・マルトゥラーノ』(1946)。元々はエドワルドの姉ティッタのために書いた戯曲なのだけど、戯曲の回想シーンを、マルチェッロとソフィアのゴールデンコンビが若さそのままに演じるのがポイント。
喜劇のほうのポイントは、瀕死のふりをして結婚するも、「In articulo mortis」(死の淵において)ならば有効なことがらも、そうでないならば無効だということで、フィルメーネ/ローレンの企てが失敗するのがひとつ。ところが、フィルメーナそこからの巻き返しが、じつにナポリ的というか庶民的であって、子供が三人いるという秘密を暴露、さらにそのうちの一人があなたの子だという事実の提起。
これには、抵抗するドン・ドメニコ/マストロヤンニもまいってしまい、最後には絆されてしまうという。まさに泣き笑いであり、笑い泣き。そういっても背後にあるのは、家父長制であり、貧困であるのだけど、金持ちの言うとおりにはならにぞというナポリ的な転覆劇。
そしてこのナポリ的な笑いは、イタリアだけではなく、日本でも十分に通用していたという普遍性。もちろん、あくまでもあの時代の普遍性であって、いまにしては古めかしいのかもしれないのだけれど、古めかしさの中にほろりとさせるものがあるのがミソ。それこそがデ・フィリッポ。
そんな作品です。う〜ん、ブルーレイも出ているんだね。買うべきかもしれないけれど、それよりも前に、デ・フィリッポの戯曲のほうを見るべきなんだろうな。それがこれ。備忘のために:
https://www.youtube.com/watch?v=Qla3uT__SpI
YTはこれね。
https://www.youtube.com/watch?v=Gg3WTt24Vqw