m

ブルーベルベットのmのレビュー・感想・評価

ブルーベルベット(1986年製作の映画)
3.0
一見平凡で美しい場所にも《闇》がある。その闇に引き摺り込まれた青年を見るのが楽しかった作品。ある意味、アオハル、成長作品だね。

お久しぶりです。デイヴィッド・リンチ監督。彼の作品は『ロスト・ハイウェイ』と『マルホランド・ドライブ』と今作で三作品目。最初の二作品観ていたおかげで今作は見易かった。とても王道というか、破綻していなく(彼の作品は良い意味で破綻している)きちんとサスペンスでした笑

ノース・キャロライナ州ののどかな田舎町。急病で倒れた父を見舞うために帰郷した青年ジェフリー(カイル・マクラクランさん)は、病院からの帰り道、切り落とされた人間の片耳が野原に落ちているのを発見する。警察に通報した彼は、ドロシーという女性が事件にかかわっていることを知り、好奇心から彼女に接近していく。そんなストーリー。

まずは!カイル・マクラクランさんと、ジェフリーの恋人サンディを演じたローラ・ダーンさんの若さに驚いてしまった!笑
おふたりとも初々しくて!
ドラマ『デスパレートな妻たち』で見ていたカイル・マクラクランさん、昔からお綺麗な顔をしていたのね。お尻も見えてしまって…笑

倒れた父のために田舎に帰ってきた純粋無垢な青年ジェフリーが、不法侵入をしたり、気になっているサンディがいるというのにドロシーと寝てしまったりと闇に引き摺り込まれていく姿はお見事だった。フランク(デニス・ホッパーさん)の二面性や凶暴性と似たところがジェフリーにも見られ、一貫したテーマ性は流石監督!といったところだろか。

平凡な田舎町も蓋を開けてみれば、道端に耳が落ちていて、蟲が湧いている。社会も同じ、みんな二面性を持ち合わせている。
ジェフリーが愛を囁いた次の瞬間、裸のドロシーを抱える。それをサンディが侮辱するような目で見るのが凄く象徴的だった。

いやぁ、デニス・ホッパーさんの演技は破壊力があるね笑
狂気も一周回って笑えてしまう、コメディにも似ていて、けれど、やはり狂気でとても面白かった。

ラストのコマドリ。素敵な輝かしいショットだが、コマドリが口に咥えている蟲、ここにも二面性があり、なにかハッピーエンドとは言えないものがあった。
というか、こんな経験したらジェフリー普通には戻れないでしょ笑

オープニングとエンディングで同じ平凡な田舎町を映したショットが出てくるが見え方が違って面白かった。

映像はやはりリンチ監督。ジャケットのシーンが本当に美しく、眼福だった。裸体を描き出させたら彼に敵う者はいない。

ストーリー : ★★★★☆
映像 : ★★★☆☆
設定 : ★★★☆☆
キャスト: ★★★☆☆
メッセージ性 : ☆☆☆☆☆
感情移入・共感 : ☆☆☆☆☆

cc/ブリリアンな悪夢 まさにセンセーション…
m

m