三四郎

甦る熱球の三四郎のレビュー・感想・評価

甦る熱球(1949年製作の映画)
3.5
勇気と信念があれば望みは叶う

古き良きハリウッド映画だ。
人々に夢と希望を与える映画を作り、あたたかい家族愛を大切にしたMGMらしい作品だ。

田舎出の世間知らずで真面目な男をジェームズ・スチュアートが見事に演じている。ジューン・アリスンの溌剌とした奥さん役も良かった。

パチンコというものを知らずにやってみて、ハズレを2回出した後、3度目にパーフェクトを出し25セント硬貨がジャラジャラ出てくる。ジェームズ・スチュアートが動くたびにポケットの硬貨がチャリンチャリンと鳴るので、初めて出会ったジューン・アリスンは彼に「なんの音?」と聞く。それで、その日の出来事を話すわけだが、「もうギャンブルはしない 勝つも負けるも運次第 続ける意味がない」と、サラリと言ってのける。
彼をただ純粋で無知無邪気と思っていた彼女は、ここでまず惹かれたのだろう。
同じホワイトソックスに所属している遊び人のチームメイトが自分のガールフレンドを放ったらかしにして、ジューン・アリスンにばかり話しかけるシーンでは、チームメイトのガールフレンドが可哀想になり、しかも失礼だと思い、ジューン・アリスンを連れて早々と帰って行く。なんて良い奴なんだ!ジューン・アリスンは、自分がその遊び人の男と一緒に居たくないことをジェームズ・スチュアートが察して連れ出してくれたのだと勘違いしているのもまた良い。二人とも誠実で似たもの同士であることがよくわかる。
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