カリオット

誓いの休暇のカリオットのレビュー・感想・評価

誓いの休暇(1959年製作の映画)
4.2
余韻と哀愁残る歴史的傑作(ソ連映画)。古さを感じさせない演出。約70年前に作られたとは思えない、不思議な感覚に陥った。
ロードムービーって、主人公と共に旅をしている気分になって見ていて楽しい。旅の終わりまでは。

見つめ合う瞬間、抱きしめる瞬間。その一瞬、全てを大事にしたいと思った。その時は二度と戻ってこないものだから。

終盤の軍用列車のシーンが大好きだ。セリフはなく、2人の顔がアップになるだけで心が舞い上がる。このシーンは心の宝箱に入れておいた。

痛烈な反戦メッセージが空虚に響く。
普通の幸せを手に入れるのがいかに難しいか。戦時下において彼らは普通の生活を送ることすらできない。
何万人もの兵士には家族がいて婚約者がいて友人がいて…誰かにとって大切な人だった。主人公が道中で出会う人々も対比的で意味深い。

ロシアの延々と広がる大地は、開放的な気持ちにさせるが同時に無常感も感じさせる。不思議だ。
カリオット

カリオット