シートン

誓いの休暇のシートンのレビュー・感想・評価

誓いの休暇(1959年製作の映画)
4.1
戦時下の倫理・人情

将軍の心意気アリョーシャの実直さ、中尉の寛容さが心にしみる
この作品の裏の主題は、戦争に行った男たちを待つ女の人生である。パブロフの妻リーザは別の男を部屋に引き入れている。アリョーシャは憤るが、待つ者たちにただ黙して待てというのも冷酷である。夫は帰ってこないかもしれないのだ。アリョーシャもパブロフの父に嘘をつく。パブロフのことはよく知らないが、彼の父を喜ばせるために。パブロフの武勇伝をでっち上げて話してやる。それを聞いて父親は喜ぶ。父親は、彼の妻が男と暮らしていること、自身が避難生活を強いられていることを、パブロフには隠しておくよう伝える。アリョーシャは、虚構のメッセンジャーとなる。善いも悪いもないのだろうが、その歯がゆさとは何であろう。

そして戦時下においては、別れは一瞬である。彼も一瞬間のうちに前線でこの世に別れを告げるだろう。関係が瞬時に切断されるという暴力

この記事でこの映画を知った
https://ifohs.kyoto-u.ac.jp/project/p01/68/
シートン

シートン