菩薩

オルエットの方への菩薩のレビュー・感想・評価

オルエットの方へ(1970年製作の映画)
4.9
まず音楽:ゴング、そして昨年鬼籍に入られたデイヴィッド、アレンの名が…(涙目)。

内容的には、基本女子三人がバカンスに行ってきゃっきゃじゃれつく映画。途中ふと会社の同僚と遭遇したり、イケメンヨット乗りと邂逅したり。そんだけの映画なのになんでこんなに面白いのかと言えば、結局はそれが今日観たロメールのヴァカンスとロジエのバカンスの違いで、ロメールのはやっぱり「金持ちの休暇」って感じだったけど、ロジエのは「サラリーマンの夏休み」だし、更に言えば修学旅行的で、始まるときのワクワクも終わる時の寂しさも実体験として知っているからだ、と貧乏っ子の自分は思う。

映画を観ていると言う感覚よりかは旅番組を観てるそれに近いし、それこそtwitterとかで思わずリツィートしたくなる様な面白動画や、テレビの前で思わず爆笑してしまう番組、要するに「水曜どうでしょう」を観ている時にも近い感覚を抱いた。これが染みる染みる。もちろん時折「おぉ」と歓声をあげたくなるよう場面や表情もあるし、主演の三人の女の子達の微妙に可愛く微妙にだらしないその容姿が逆に絶妙にエロティックで目を離せないと言うのもあるけど、不安視された上映時間に対する膀胱の忍耐力もまったく問題にならず、オールタイムベスト級の作品に出会えた事に今はただ感激している。
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