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ひかりのおとのchiyoのレビュー・感想・評価

ひかりのおと(2011年製作の映画)
3.5
2021/6/28
ミニシアター・エイドのThanks Theaterで鑑賞。東京で音楽を志していたものの、父親の怪我で実家に戻り、家業の酪農を手伝う雄介。舞台となった岡山への誘致は微塵も感じられず、逆に地方で農業を営むことの厳しさと過酷な現実が描かれる。そこには、監督自身が農業を営んでいるからこその確かな説得力が。そして、夫を事故で亡くし、息子と二人で暮らす陽子。現在は雄介の恋人ではあるけれど、彼女は彼女で“家”のしがらみに縛られる。私的には、再婚をするなら息子は亡き夫の実家に、という考え方が理解できない。が、“家”を重んじる地域で後継ぎが他には居ない場合、そうなってしまうのか。音楽と酪農、再婚と子ども、悩んで出した二人の答えは、今一緒に酪農を続けること。全体的に静かな映画だけれど、エンディング曲がなかなか激しくてビックリ。牛の真っ直ぐな瞳も印象に残る。
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