吉良吉影

サイコの吉良吉影のネタバレレビュー・内容・結末

サイコ(1960年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

古典サスペンスの巨匠ヒッチコックが生み出すサイコスリラー。犯人が多重人格のオチは何作も観てきたが、この作品が元祖だろうか。しかし、結局その線は読めなかったため、仰天の終わり方に感じた。
カメラワークが素晴らしい。まずノーマンが事務所の穴からマリオンを覗く場面。後半にサムとライラが部屋を探索するシーンの中でも同じカメラ視点が撮られていたので、またノーマンに見られているのではないかと焦燥感に駆られた。
『チャーリーとチョコレート工場』でも引用された風呂場での殺害シーン。シャワーカーテンの裏から徐々にナイフを持った人影が迫ってくるのが狂気的。突然襲われるのではなく、じわじわと恐怖感を与えられた。
最後の母親が部屋角で後姿で座っているシーン。『赤い影』やアルジェントの『フェノミナ』でも似たようなショットが見られる。
剥製により自由を奪われた鳥が母親を暗喩していたのは、この物語を解く鍵だろう。
吉良吉影

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